[2025 Tokyo Gendai] Lee Bae

李培作家は30年以上にわたり、木炭という素材と、黒と白を基調とした書道的な抽象絵画を通じて、韓国絵画を国際舞台に紹介してきた。1989年の渡仏以降、西洋の画材の代わりに、韓国人に馴染み深い素材である木炭を作品に取り入れ始めた。作品には、木炭が持つ「生と死」「循環」「分かち合い」といった本質的な概念に、作家独自の芸術的想像力が加わっている。彼は木炭を用いて、ドローイング、キャンバス作品、インスタレーションなど多様な形式の作品を制作し、その表現領域を広げてきた。たとえば、キャンバス上に木炭の断片を密に貼り付け、表面を研磨する「Issu du feu」、木炭の粉を砕いてメディウムと混ぜ、画面に厚く定着させた「Landscape」、木炭から抽出した黒い顔料を使い、蝋のような厚い素材で何度も塗り重ねるアクリルミディアムの作品、木炭の粉を混ぜた墨で様々な筆致を見せる「Brushstroke」、木炭そのもの、あるいはブロンズによる彫刻シリーズなどがある。彼が木炭を用いる理由は、「その中に人間の制御を超えた巨大な自然が宿っているからだ」と語っている。彼は、ヴェネツィア・ビエンナーレ、ニューヨーク・ロックフェラーセンター・チャンネルガーデン、フランス・ギメ美術館、フェルネブランカ財団、大邱美術館、サン＝テティエンヌ現代美術館、北京トゥデイ・アート美術館など、数多くの展覧会に参加してきた。2000年には韓国国立現代美術館より「今年の作家賞」を受賞し、その後も2009年パリ韓国文化院作家賞、2013年韓国美術評論家協会作家賞、2018年にはフランス芸術文化勲章（シュヴァリエ）を受章、2023年には大韓民国文化芸術賞を受賞している。現在、彼の作品は韓国国立現代美術館、ソウル市立美術館、リウム美術館、マグ財団、パリ・ギメ美術館、スペインのプリバド・アレグロ財団やバル財団など、国内外の主要な美術館に収蔵されている。